この記事は、夏祭りの夜の夢についてインタビュー形式の読み物に起こしたものです。
※お楽しみ要素として、ゲームクリア後に閲覧することを推奨します。ネタバレ有り。
Q1 全体スケジュールについて
基本的に「〇〇したらいいんじゃないかな~、面白いんじゃないかな~~」って言う私の提案を元に再構築してスケジュール作成していました。
サイトの技術的な部分・運営は全て星影にお任せしてます。ありがとう。
2013年12月末~公開1か月までのサイト更新の内容は全て事前に決めていて、それに合わせて更新していました。
ちなみに更新スケジュールは冬の暮れに回転寿司屋で寿司食いながら決めたものです。まぐろ美味しい。(山田)
ゲームを作成する、ということについては完全に初心者だったためスケジュールの組み立てについてはすべて山田の意見通りに行いました。前半は必死にシナリオを書いて、後半はサイトの作成、背景・BGM素材集めなどを担当した形です。
2日に1回更新は無茶したと今でも時折思います。
回転寿司パワーは怖いですね。まぐろの竜田揚げをよく食べてました。山田が。(星影)
Q2 作成時の使用ツールについて
ゲーム制作 LiveMaker http://www.livemaker.net/
会議 Skype
動画制作 Aviutl http://spring-fragrance.mints.ne.jp/aviutl/
データ共有 サイボウズLive https://cybozulive.com/login
作るものがノベルゲーム、ということで、以前から個人的に使っているLiveMakerをそのまま使用しました。
制作してきたPVの中でも、夏夢のPVは気に入ってます。
この座談会のためにスカイプのログを掘り起こしましたが、覚えてすらいない雑談の内容に思わず頭を抱えました。夏夢制作追い込み期間は、星影と共にランナーズハイだった自覚はあります。(山田)
データ共有サイトの利用は私から提案しました。山田とのスケジュールが合わないことや、山田から送られてくるデータ(主に立ち絵)が膨大なことからの使用検討です。結果的に上手く企画も立ち回り、この座談会のネタも軽く発掘できたのでよかったと思います。助かりました。(星影)
Q3 サイトの話
「TOP画に仕掛けをしよう!」と思い立ったのは、ユーザーがどうしたらサイトに足を運んでくれるか?を考えた結果です。
事前に宣伝用に何枚か集合絵のラフは用意してあり、
一枚は現在のTOPの、幼馴染3人組と猫のイラスト、もう一枚が加奈子と来栖のヒロイン組をどん、と置いた縦型のイラストでした。
サイトの形式上と、来栖はゲーム公開までシークレット扱いということですんなりと案は選ばれました。
仕掛け発動中、楽しい、というお声をいくつかもらえて嬉しい限りでした。
余談ですが、加奈子と戯れている黒猫は、サイト内の前日譚に登場する黒い子猫が成長した姿です。
作成順ではイラストのほうが先に完成して、ノベルを書く際ネタ探しの時に、「じゅあこの猫を使おうか、」という話になったはずです。(山田)
サイト公開日をゲームの公開予定から逆算して設定し、2日に1回何かしらの情報を開示する、というコンセプトで取り組みました。できるだけ見た目はシンプルに、複雑なことはしないを条件に作成しています。この当時は来栖の存在はまだ隠してシルエットのみの公開にしたり、掌編小説などで小さく物語のフックを入れてみたり、公開までの期待感を煽ることを一番の目的にしていました。
基本的にゲームは発売前期間が一番好きなのです。(星影)
Q4 ゲームのスクリプトの様子
シナリオ部分、背景およびBGM、SEの挿入を担当しました。シナリオは台詞だけで構成するというのに苦戦をし、見栄えのよう改行にあっぷあっぷし……。おそらく元の文章を書き上げるよりもずっと時間と根気がいる作業でした。
サイレンSEに関しては私が当時すごくごねました。どうしてもイメージにあったものがなく……。田舎の正午サイレンって普遍的だと思ってたのですがそうでもないんですね。(星影)
LiveMakerはとても簡単な操作でゲームが作れる上、夏夢も複雑なゲームでは無いので、スクリプトで困った!という点は特に無いのですが、立ち絵のサイズは最後まで調整していました。
加奈子は一回立ち絵として素材を作ったあと、サイズ調整で全て作り直す、という悲しいエピソードがあります。
ちなみに序盤のサイレンSEは、星影のイメージに合うSEが無いため、わたしがDTMで急きょ作ったものです。やっぱりイメージとは違うみたいでしたが。
マスターアップ前に、バグ探しに何十周もプレイするのはゲーム制作上欠かせない工程ですね。毎回頭がとろけそうです。(山田)
Q5 キャッチコピー
~現在のコピーが出てくるまで~
1 夢を回る物語
→しっくり来ないので没
2 あの夏が、永遠に続くと思っていた-
→ギャルゲー風に見えるので没
3 誰もが「未来」を望んでいると思っていた
→作品の説明として不十分なので没
4 楽しい夏祭り、それだけのはずだった
5 いつもどおりの夏祭り、のはずだった
→タイトルに「夏祭り」のワードが入っているので別の言い回しを考える 没
6 夏の夜、変わらないと思っていたのは、俺だけだった
→このあたりで、キャッチコピーの視点を来栖にしたらどうか、
という案が出る
7 終わらせよう、永遠の夏を
8 共に終わらせよう、永遠の夏を
→「プレイヤー」と「隆二」二重に呼びかけている意味を籠めて採用
サイトを作るにあたり、ゲームとしてのキャッチコピーがほしいということで山田と頭をひねりました。
上記のような候補を経て、「共に終わらせよう、永遠の夏を」に決まりました。この会議は公開前からちらっとブログに載せたスクリーンショットのときの内容です。
その時あえて載せたモザイク部分、これは当時シークレット扱いだった来栖のことを語っている部分です。来栖というイレギュラーな存在が、隆二、そしてプレイヤーに対して語りかけているという内容ですね。自分と、誰かという認識を持たせるために「共に」というワードを追加しました。(星影)
……次回、座談会最終回!
ゆっくりお待ちください。