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「夏祭りの夜の夢」制作ブログ このブログはフリーゲーム「夏祭りの夜の夢」の制作過程を綴るものです。

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最終回 夏祭りの夜の夢制作秘話「今後について」

この記事は、夏祭りの夜の夢についてインタビュー形式の読み物に起こしたものです。



*隆二と短編「十二の夜」に登場した瑞希のイラスト
 ねこさまもふもふ

Q1 5月に電子書籍、8月にサウンドノベルが出る予定では?

2014年とは言ってない。というひどい言い訳は置いておいて、製作企画自体はある程度作ってはいます。
ただ両者ともそれぞれの事情により時間が取れないというのが現状です。それも含めて今回はこれからの「夏祭りの夜の夢」展開についてお話できればと思います。(星影)

Q2 電子書籍について

鋭意執筆中、です、はい……。
内容については過去に書いたもののリメイクではなく、完全にゲーム「夏祭りの夜の夢」のノベライズとなります。またすでにサイトで公開している「十二の夜」と新作短編を収録しようと考えています。
配信はBOOTHにて無料配信を予定しております。他所の電子書籍サービスで希望がありましたらご連絡をお願いします。(星影)

Q3 サウンドノベルについて

ツールはLiveMakerで、完全に読み物として制作する予定です
ゲームとしてのギミックが無い分、スキップやしおりと言ったオプションを豊富にしたり、ストレスフリーな作品にしたいと考えています
また、グラフィックの表現も色々細工してみたいと思っていて、プレイ中、「目が離せない」ものにしたいです。
ボリュームは大体10分~20分前後のものを想定しており、短いながらも充足感を感じてほしいなあ、と思案しております。
現在グラフィックではキャラクターデザインの再案を練っており、全体のとっかかりを掴んでいる最中です。
配信は大分先になってしまうと思いますが、心の片隅にでも、「夏夢」を覚えていてくれたら幸い。(山田)

人気投票で来栖が一位との結果を受けてIFENDのその後という形でのシナリオを予定しております。隆二と来栖の二人を軸に加奈子や健太も登場するというイメージを考えております。すでに話の大筋や場面プロットは完成してますので山田と相談していろいろ詰めていく予定です。(星影)

Q4 それ以外の今後の展開について

サウンドノベルの公開時にもう一度人気投票を行ってそこで一区切りとしようと思います。その後別の作品を、ということもなく、各自それぞれの活動に戻っていくことになります。記念日にお祝いということはあるかもしれませんが、企画としての「夏祭りの夜の夢」は現在予定してる展開で終了します。最後までよろしくお願いします。(星影)
 
Q5 具体的にいつ頃の公開になるか

現在両名とも私生活のほうが忙しくなかなか時間が取れない状況です。年の瀬あたりにはまた具体的なお話ができると思うのでそれまでしばしお待ちください。(星影) 

Q6 締めの一言

ひとまず一番の目標であったゲーム本編配布をクリアしているので、あとは無理せず小目標を達成していきたいです。
グラフィックの描き下ろしの機会はまだまだ多くあるので、夏夢の世界観と絵柄を崩さず進化した姿をお見せ出来たらなと考えています。
もうしばらくおつきあいくださいませ。(山田)

過去に書き散らした作品がここまで大きな企画になるとは思っていなかったので驚いています。誘っていただいた山田に感謝。
皆様の期待に応えつつ、自分なりに隆二たちとしっかり向き合ってシナリオを書いていければと思っておりますので、よろしくお願いします。(星影)
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第二回 夏祭りの夜の夢制作秘話「制作について」

この記事は、夏祭りの夜の夢についてインタビュー形式の読み物に起こしたものです。
※お楽しみ要素として、ゲームクリア後に閲覧することを推奨します。ネタバレ有り。



Q1 全体スケジュールについて


基本的に「〇〇したらいいんじゃないかな~、面白いんじゃないかな~~」って言う私の提案を元に再構築してスケジュール作成していました。
サイトの技術的な部分・運営は全て星影にお任せしてます。ありがとう。
2013年12月末~公開1か月までのサイト更新の内容は全て事前に決めていて、それに合わせて更新していました。
ちなみに更新スケジュールは冬の暮れに回転寿司屋で寿司食いながら決めたものです。まぐろ美味しい。(山田)

ゲームを作成する、ということについては完全に初心者だったためスケジュールの組み立てについてはすべて山田の意見通りに行いました。前半は必死にシナリオを書いて、後半はサイトの作成、背景・BGM素材集めなどを担当した形です。
2日に1回更新は無茶したと今でも時折思います。
回転寿司パワーは怖いですね。まぐろの竜田揚げをよく食べてました。山田が。(星影)


Q2 作成時の使用ツールについて
ゲーム制作  LiveMaker http://www.livemaker.net/
会議    Skype
動画制作  Aviutl  http://spring-fragrance.mints.ne.jp/aviutl/
データ共有 サイボウズLive https://cybozulive.com/login


作るものがノベルゲーム、ということで、以前から個人的に使っているLiveMakerをそのまま使用しました。
制作してきたPVの中でも、夏夢のPVは気に入ってます。
この座談会のためにスカイプのログを掘り起こしましたが、覚えてすらいない雑談の内容に思わず頭を抱えました。夏夢制作追い込み期間は、星影と共にランナーズハイだった自覚はあります。(山田)
データ共有サイトの利用は私から提案しました。山田とのスケジュールが合わないことや、山田から送られてくるデータ(主に立ち絵)が膨大なことからの使用検討です。結果的に上手く企画も立ち回り、この座談会のネタも軽く発掘できたのでよかったと思います。助かりました。(星影)


Q3 サイトの話
「TOP画に仕掛けをしよう!」と思い立ったのは、ユーザーがどうしたらサイトに足を運んでくれるか?を考えた結果です。
事前に宣伝用に何枚か集合絵のラフは用意してあり、
一枚は現在のTOPの、幼馴染3人組と猫のイラスト、もう一枚が加奈子と来栖のヒロイン組をどん、と置いた縦型のイラストでした。
サイトの形式上と、来栖はゲーム公開までシークレット扱いということですんなりと案は選ばれました。
仕掛け発動中、楽しい、というお声をいくつかもらえて嬉しい限りでした。
余談ですが、加奈子と戯れている黒猫は、サイト内の前日譚に登場する黒い子猫が成長した姿です。
作成順ではイラストのほうが先に完成して、ノベルを書く際ネタ探しの時に、「じゅあこの猫を使おうか、」という話になったはずです。(山田)


サイト公開日をゲームの公開予定から逆算して設定し、2日に1回何かしらの情報を開示する、というコンセプトで取り組みました。できるだけ見た目はシンプルに、複雑なことはしないを条件に作成しています。この当時は来栖の存在はまだ隠してシルエットのみの公開にしたり、掌編小説などで小さく物語のフックを入れてみたり、公開までの期待感を煽ることを一番の目的にしていました。
基本的にゲームは発売前期間が一番好きなのです。(星影)

Q4 ゲームのスクリプトの様子
シナリオ部分、背景およびBGM、SEの挿入を担当しました。シナリオは台詞だけで構成するというのに苦戦をし、見栄えのよう改行にあっぷあっぷし……。おそらく元の文章を書き上げるよりもずっと時間と根気がいる作業でした。
サイレンSEに関しては私が当時すごくごねました。どうしてもイメージにあったものがなく……。田舎の正午サイレンって普遍的だと思ってたのですがそうでもないんですね。(星影)
LiveMakerはとても簡単な操作でゲームが作れる上、夏夢も複雑なゲームでは無いので、スクリプトで困った!という点は特に無いのですが、立ち絵のサイズは最後まで調整していました。
加奈子は一回立ち絵として素材を作ったあと、サイズ調整で全て作り直す、という悲しいエピソードがあります。
ちなみに序盤のサイレンSEは、星影のイメージに合うSEが無いため、わたしがDTMで急きょ作ったものです。やっぱりイメージとは違うみたいでしたが。
マスターアップ前に、バグ探しに何十周もプレイするのはゲーム制作上欠かせない工程ですね。毎回頭がとろけそうです。(山田)


Q5 キャッチコピー

~現在のコピーが出てくるまで~

1 夢を回る物語
→しっくり来ないので没
2 あの夏が、永遠に続くと思っていた-
→ギャルゲー風に見えるので没
3 誰もが「未来」を望んでいると思っていた
→作品の説明として不十分なので没
4 楽しい夏祭り、それだけのはずだった
5 いつもどおりの夏祭り、のはずだった
→タイトルに「夏祭り」のワードが入っているので別の言い回しを考える 没
6 夏の夜、変わらないと思っていたのは、俺だけだった
→このあたりで、キャッチコピーの視点を来栖にしたらどうか、
という案が出る
7 終わらせよう、永遠の夏を
8 共に終わらせよう、永遠の夏を
→「プレイヤー」と「隆二」二重に呼びかけている意味を籠めて採用 
サイトを作るにあたり、ゲームとしてのキャッチコピーがほしいということで山田と頭をひねりました。
上記のような候補を経て、「共に終わらせよう、永遠の夏を」に決まりました。この会議は公開前からちらっとブログに載せたスクリーンショットのときの内容です。

その時あえて載せたモザイク部分、これは当時シークレット扱いだった来栖のことを語っている部分です。来栖というイレギュラーな存在が、隆二、そしてプレイヤーに対して語りかけているという内容ですね。自分と、誰かという認識を持たせるために「共に」というワードを追加しました。(星影)



……次回、座談会最終回!
ゆっくりお待ちください。

第一回 夏祭りの夜の夢制作秘話「原案について」

 この記事は「夏祭りの夜の夢」の舞台裏を、インタビューという形式の読み物に起こしたものです。
 あくまでもお楽しみ要素の一つですので気楽にお楽しみください。


Q1 夏祭りの夜の夢という作品はどこから始まった?

星影「高校時代の部誌に書いた5000字程度の小説が始まりです。当時、私が所属していた文芸部ではお題に沿った小説を部員全員で書いて部誌に載せるという活動を行っていて、その第一回のテーマが「夏祭り」でした」

星影「なので、それとシェイクスピア喜劇「夏の夜の夢」を元ネタにタイトルを考えました。タイトル先行で、何を書くかは決まってなかったです。夏祭り、夜、化かす、あたりが初期のイメージキーワードとしてはありました。元ネタの喜劇とはかけ離れた作品になりましたが、これがなければまったく違う作品になっていたでしょう」

Q2 初期「夏夢」と2012年に制作した「夏夢」の違いはありますか?

 *2012年「夏夢」……星影が夏のインテにて発行した同人誌版。以後2012年版とする。

星影「最初の質問で述べたとおり、当時は5000字くらいで全体的に内容が駆け足で薄味でした。そしてなにより、来栖というキャラは存在せず、その位置は名もない怪しいコートの男性が担っていました。
来栖は書き直しするにあたっての一番の追加要素です。
初期の頃は文章配分や技術力が無く、足りない要素が多い作品でした。ネタとしては気に入っていましたが、今と比べるととても不完全な作品ですね」

山田「2012年版で、キャラクターデザインと表紙を任されました。
テーマや雰囲気、「夏」という季節がストライクだったので、楽しく描かせていただきました。
当時は当たり前だけどキャラクターとの距離が遠かったので、掴むまでに時間がかかりました」


Q3 ゲームを作る際に変えた内容はありますか?

星影「2012年版と基本はほぼ同じです。変更点はルート分岐分でしょうか。ゲーム化というとこでゲーム性を追加しよう、とあれこれ考えました。結果的に2012年版よりも内容は掘り下げられたとは思います」

山田「約2年前に手がけたグラフィックということで、技術的にも個人的にも、原型を活かしつつリメイクはしたかった。
そこは許可をもらって、過去にOKがでたデザインをほぼ残しつつ、今の山田が思う彼らを描きました」


Q4 一番気に入っている時期の「夏夢」はどれですか?

星影「ゲーム版ですね(即答)。今まで書いてきて一番納得のいかなかったシーンがラストの隆二が加奈子を説得するシーンなんです」


星影「書きながらもこれでほだされはしないだろう、普通は。という気持ちがずっとあって、けれど他にいい雰囲気に書ける自信がなかったのでゲームでいうGOODENDのようなやり取りで完成校としてました」

星影「ゲーム版で追加されたIFENDの説得シーンの方は来栖の影響を受けている状態なので、かなり説得性があって個人的に一番納得しています。IFルートの説得シーンを書いている間は内心上手くいって小躍りしてました。原稿ハイな状態です」

星影「ほかにもヤンデレシーン(BADルートの説得シーン)などを追加したおかげで展開に幅が産まれたかな、と。このあたりは完全に趣味で追加されたシーンなので書いててすごく楽しかったです」

山田「ゲーム版(即答)
星影が言うように、ルート分岐がかなりゲームとしても映えたし、テンポも良いのでかなり気に入っています。
ちょっとした事情で、2012年版の小説で挿絵を入れることが出来なかったので、今回ゲームでスチルをたくさんかけてリベンジは出来たかと」

Q5 2012年版では、ちょっとした事情(二回目)で、本文が無いまま簡単な設定のみを伝えられた状態でのキャラクターデザインを行いましたが、どういう事を考えておこないましたか?

山田「伝えられた設定が結構簡易的なものだったから、その限られた中で、近づけるようにはかなり苦労した。小説のおおまかな流れと設定と世界観は口上で伝えられていたので、そこからいかに原作者のイメージに摺合せれるかを考えていた。
今回の場合は「友人」だったからよかったと思う。なぜかというと、星影の趣味嗜好というのをある程度理解していたので。
私と彼女の嗜好というのは真反対なので、デザインの際には、とにかく情報量が少なかったので、「星影が作りそうなキャラクター」をイメージした。
例えば絵柄とか、雰囲気とか。星影の嗜好に近づくことで、「夏夢」との距離を近づけようとした。
いやあ大変だった」


……次回へ続きます。
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